ジスロマック(アジスロマイシン)はクラミジアだけでなく、淋病治療にも有効です。

まず、性病とは何でしょう?

性病とは、性感染症のことで、英語ではSexually Transmitted Diseasesと表記され、STDと省略されます。Sexually=性的に Transmitted=移る Diseases=病気と訳すことができます。

 

 

現在、性感染症とされている代表的なものを以下にまとめました。

 

 

性器クラミジア感染症、淋菌感染症、HIV感染症/エイズ、梅毒、腟トリコモナス症

 

性器カンジダ症、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ(ヒトパピローマウイルス)

 

非クラミジア性非淋菌性尿道炎、ケジラミ症、疥癬、軟性下疳、A型肝炎、B型肝炎

 

C型肝炎、赤痢アメーバ症、細菌性腟症、伝染性単核球症(キス病)

 

サイトメガロウイルス感染症、成人T細胞白血病

 

 

上記のうち、国が発生動向の調査をしている疾患は6疾患あり、

梅毒、クラミジア、淋病、HIV、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ(ヒトパピローマウイルス)です。

 

 

下記のURLに調査結果がまとめられています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html

 

 

こちらの調査は1987年より開始され、30年間継続されています。この調査結果が示していることは、近年になり性感染症の報告は減ってきているものの、性教育が十分浸透したとはいえず、今後も継続した性教育が必要と締めくくられています。

 

 

また、性病を観測することで、衛生環境の整備状況にも改善が反映されているようです。事実、日本などの先進国よりも、発展途上国の方が性病の感染率が高く、衛生環境の1つの指標にもされているようです。

 

国が定点観測している上記6つの性感染症のうち、HIV、淋病とクラミジアは特に重要だと考えます。

 

 

HIVについては、HIVによってエイズ(AIDS)が引き起こされ、人間の免疫力を無力化してしまいます。自然には多くの細菌やウィルスが存在しております。人間の免疫機能に異常がなければ、感染しない・発症しない疾患もたくさんありますが、免疫が機能していないと感染・発症することによって非常に重篤な状態におちいり、最悪のケースとして死亡にいたることもあります。さらに、HIVはセックスで簡単に感染してしまい、放置しておくと非常に早いスピードで蔓延してしまいます。したがって、蔓延を防止するためにも、医師にはHIV陽性患者を見つけた際には、国への報告義務が課せられています。

 

 

クラミジアと淋病については、症状が進行することで不妊につながります。日本国民の人口を維持するために、不妊の女性の数を減らすことも重要です。そのような考えもあり、定点観測し、積極的に治療も行っているようです。

ジスロマックで治療できる淋病とは?

淋病とは、淋菌という細菌に感染したことによって発症する性病・性感染症のことです。

 

 

●症状はクラミジアと同様で男性と女性で異なります。

 

■男性の症状
感染後、2〜7日間の潜伏期間を得て症状が発生しますが、最も多い症状が急性尿道炎と言われています。急性尿道炎になると、尿をする際、特に尿の出始めに強い痛みがでます。さらに尿と一緒に黄緑色のドロっとした膿が排出されます。

 

 

さらに症状が進行して、淋菌が尿道から進行に奥深くまで入り込むと、陰嚢の痛みや腫れが発生し、精巣上体炎になってしまいます。さらに進行すると無精子症なども引き起こし、男性の不妊症の原因にもなります。

 

 

■女性の症状
女性の場合は、クラミジアと同様で感染初期では、自覚できる症状はないと言われています。自覚症状がまったくないわけではなく、性器のかゆみやおりものが増えるという症状はあるようですが、普段認められる症状でもあるため、この症状から淋菌に感染したと考える人はまずいないと思われます。このような症状に気付くことはないので、知らないうちに症状が進行し、子宮頸管炎を発症させます。

 

さらに進行すると子宮内膜症、炎症が卵管に達すると卵管炎なども発症します。これらに伴い発熱を伴うこともあり、疼痛、場合によっては激しい疼痛を伴うこともあります。特に卵管炎ともなると、生理痛よりもさらに強い痛みもあり、動くことができないほどの痛みが発生することもあります。子宮内膜症や卵管炎は不妊にもつながる非常に重大な症状です。

 

 

 

●感染経路

 

淋菌は男性であれば尿道、女性であれば膣及び子宮やその周辺の器官に感染しますので、それらに触れなければ感染するおそれはありません。したがって、例えばキスやディープキス、触れ合う・抱き合うという行為だけで感染することはありません。

 

 

基本的にコンドームなしでセックスした場合に感染します。さらにフェラチオでも感染することが知られており、女性の場合、喉の淋菌感染が報告されています。ただし、喉に感染した場合、症状は喉の痛みや発熱が主なものであるため、風邪と思い込んで放置しておくこともよくあります。

 

 

妊婦が淋病に感染した状態で出産をすると、出産時に赤ちゃんに感染することがしられています。赤ちゃんが淋病に関すると、次のような症状が引き起こされてしまいます。

 

結膜炎、関節炎、尿道炎が知られています。関節炎の場合、骨の発育にも影響を及ぼし、成長に障害を及ぼすこともあります。最も多い症状としては新生児結膜炎という症状です。放置されることはありませんが、最悪のケースとして失明する可能性もあります。

 

 

 

●検査方法

 

淋病の検査は、クラミジアの検査とほぼ同じです。男性の場合は尿道に、女性の場合は膣に細い綿棒を挿入して粘液などの検体を採取します。その検体をPCR法などによってDNAを増殖させることで、淋菌感染を確定診断することになります。

 

 

淋病の治療薬とは?

 

淋病を治療するためには抗生物質を使用します。クラミジアと同様にマクロライド系の抗生物質であるジスロマックや、ニューキノロン系の抗生物質であるクラビットなどが治療に用いられます。

 

 

ジスロマックであれば1回1000mgを1回のみ服用すること、クラビットであれば1回500mgを1日1回、7日間連続服用していただく必要があります。

 

 

淋病やクラミジアなどの性感染症は、1つの細菌だけに感染するよりは、複数の細菌に感染しているケースがほとんどです。風俗などの不特定多数の人が利用するため、性感染症を引き起こす細菌が非常に多く存在します。幸いなことに、ジスロマックやクラビットであれば、広い抗菌作用を持っているため、複数の性感染症の治療を行うことができます。だからといって、むやみに抗生物質を使用することは避けて下さい。淋菌においても抗生物質が効かない耐性菌が知られています。